12. どこかで飼われている鳥の、突然の来訪
朝、目覚めたもののまだ眠気があり、まどろみの中にいた時、いきなり左肩に鳥がとまりました。
セキセイインコです。
え???どちら様???
「聞いてよ〜。私の飼い主さんてばね・・・」といきなり話し始めたのです。
内容は
・飼い主さんがケージの中にいる私を指でつつく
・飼い主さんがケージの中にいる私を捕まえようと、手を入れて追いかけ回す
これが、嫌なのっ!
ということでした。
なるほど、確かに大きな体、しかも自分よりも大きな手が追いかけてきたら、怖いですよね。
イメージしてみてください。
自分より何十倍も大きな、会話が交わせない動く生き物が、自分に向かって何かをしてくる。
しかも自分を追いかけ回す。
これでは相手に怖いと思われるでしょうし、少なくとも逃げたいと思いますし、進んでその手の上に乗ろう、とか、捕まってみよう、とか思いませんよね?
ついやってしまいがちな行動ではありますが、鳥からしてみればそう感じても仕方がない、と思える状況ではないでしょうか。
なので、飼い主さんの意図がわかれば伝えられるかと思いました。
すると・・・
飼い主さんはこのセキセイインコが大好き
でも今まで飼ったことが無いので、どうしたらいいのかわからない
とりあえずケージにいる鳥にちょっかいを出したい
鳥の毛がふわふわなので触りたい
と思っていることがわかりました。
また、
手乗りにしたい!
と思っていることも。。。
でも、このセキセイインコは手乗りで育っていません。
鳥を飼ったことがある方はお分かりになるかと思いますが、いきなり手乗りにするのは無理です。
生まれてから人間の手に慣らし、手乗りとして育てる必要があるのです。
これらをやらずに育て、後から手乗りにするのはまず無理、と思ってください。
でも、このインコちゃん、どこのおうちの子かわかっていませんし、私は臨床医ではありませんので、偶然病院で会う、という事もありません。
私に今できることは・・・?
すると、飼い主さんが手のひらを差し出している事もあることが見え、
そして、飼い主さんの手のひらにインコちゃんが乗ってくれたら、飼い主さんがものすごく喜んでいることが見え、
それをやれば、今後、ケージに手を入れてインコちゃんを追いかけ回すことをやめる、
ということがわかりました。
なので、そのことをインコちゃんに伝えました。
「飼い主さんがケージに手を入れてきて、手のひらを上、もしくは手の甲を上にした時、その手に乗ることはできる?」
「うん、できるよ」
「なら、それをやると、飼い主さんはものすごく喜ぶし、
今後、ケージの中に手を入れて追いかけ回すことをやめるよ?」
「え?ほんと?じゃあやってみる!」
「・・・ケージの外から私をつつくのは?」
「ごめんね、良い案が浮かばないよ。。。」
「りょーかい!
一つでも減れば良いし、一番嫌だったことがクリアできれば、それだけでも嬉しいから」
おー良かった。
と思ったら、
「じゃあね!」
といって飛んでいきました。
突然来て、突然帰る。。。良いなあ、自由奔放で。
〜後日談〜
なんとこのインコちゃん、私にその後を伝えに来てくれました。
飼い主さんの手のひらの上に乗ったところ、飼い主さんは大喜び!
それ以来、ケージの中に手を入れて追いかけ回すことをやめ、手のひらを差し出すようになったとのこと。
インコちゃんからは、
「すごく良くなったよ〜、ケージの外からツンツン突くのは止めてくれないけど〜
でも大満足。ありがとね!!」
というお言葉をいただきました。
これだけ言って、また去って行きました。
相変わらず速い。。。
ともかく、良くなったのならそれで良し!
いきなり話しかけられることから始まった、突然の来訪。
インコちゃんが満足できてよかったです。